屋内外での位置特定: マテリアルフローの完全な透明性を実現

2020/02/10

ロジスティクスプロセスでは、複雑度が常に増しています。従って、ロジスティクスプロセスの効率と生産性を高める上で、透明性が決定的な前提条件となる傾向が益々強まっています。社内の生産・組立・配送ロジスティクスでの搬送プロセスが柔軟になり、モジュール式かつ自己組織型となる流れが強まっている状況では、トラック、搬送装置や商品などが存在している場所と時間を正確にリアルタイムで把握することが重要になります。その手段の一つがSICKの位置特定・分析技術であり、これは既に実際の現場で実績を挙げています。

 

インダストリ4.0のビジョンと現実の重要な側面は、プロセスチェーンとバリューチェーンに沿ってデータを収集および評価し、情報に変換することです。ここからあらゆる種類の意思決定を行う信頼性の高いデータを構築するには、透明性に影響を及ぼすシステムの破綻、つまり現場やITレベルでの情報遅延や内容が一致しない情報を回避することが重要になります。イントラロジスティクスでは、このようなシステム破損はソースの対象物が、ハンドリフト、フォークリフトまたは連結台車などの移動型搬送装置によってシンクに搬送される際に堅固な生産ラインや組立ラインあるいは据付型搬送システムから移動する場合に生じます。定置式の搬送システムとは異なり、社内の屋内ホールやフロアを通過する途中、識別や位置測定は行われません。制御レベルにとって、搬送物は宇宙でも何かが消滅してしまう可能性のある「ブラックホール」を通過することになります。この工程での透明性の欠如によりプロセス効率も悪影響を受け、消滅、遅延、間違った場所への配送またはその他のエラーにつながる可能性があります。 

Indoor and outdoor localization: Full transparency in the material flow
Indoor and outdoor localization: Full transparency in the material flow

センサデータの統合と融合により透明性を確保 

すべての商品の動きを記録し、それを透明化するアセットローカリゼーションシステムは、プロセスエラーを回避し、生産、組立、倉庫または通信でのリソースの連続的かつ計画的利用を可能にし、生鮮品の超過を回避したり、配送プロセスの複雑さを管理可能にしたりできるため、ユーザは実際に競争上の優位性を得ることができます。識別、位置特定、状態検出を行うために相互調整されているセンサシステム、さらに分析と可視化用ツールにより、大容量のデータでも目的に沿って記録および評価できるようになりました。Asset Analyticsによるデータ解釈では、マテリアルフローのソースとシンクの時間的な出荷動作と入庫動作を検出し、工場作業現場を移動するアセットを追跡し、複雑な物流ネットワークを理解することが可能になります。目的は、いつでも、どこでも、マテリアルフロー全体を通して信頼性の高い、再現可能かつ予知可能なプロセスを保証することです。 

UWBシステム「LOCU」: メートル精度の位置特定

ロジスティクスにおけるあらゆる位置特定およびアセットマネジメントソリューションでは、マーキングと識別に加えて、マテリアルフローに関連する全対象物の位置を特定することが基本的な前提条件となります。このためには、要求される位置精度と必要な更新率に応じて、2Dレーザスキャナ、3Dカメラシステム、トラックガイドセンサ、インフラストラクチャセンサなど、様々なセンサ技術を利用することができます。このソリューションポートフォリオの中では比較的新しく、主要な技術となるのが、タグベースの位置特定向けUWBシステム「LOCU」です。これは、周波数帯3.1 GHz~10.6 GHzの近距離通信用無線システムです。この非常に幅広い周波数帯により、極めて高い伝送速度を達成することができます。このシステムは屋内位置特定で20~50メートルの検出距離に対応し、UWBアンテナ (アンカー) の連続動作時も低い送信出力を保ちます。アセットの位置を特定するには、位置測定時に明確にIDを割り当て可能なUWBタグを付ける必要があります。ロジスティクス対象物が複数のアンカーの検出範囲内で移動すると、これらはタグへの距離を特定することができ、航海用クロスベアリングのように、3本のアンテナの距離値を計算して空間内のアセット位置を特定します。この際LOCUは、1メートル以下の位置測定精度を達成します。各位置値にはタイムスタンプが付与されるため、「どこに、何が、いつ」という疑問を完全に解明することができます。

 

LOCU UWB system for tag-based localization
LOCU UWB system for tag-based localization

屋内と屋外エリア間のシームレスな位置特定

マテリアルフローとイントラロジスティクスは、閉ざされたホールや倉庫領域だけではなく、屋外領域でも頻繁に行われます。LOCUは屋内から屋外への移行時に、GPSに基づいたシステムソリューション「Gateway System TDC-E」に位置特定機能を引き渡します。WLAN、WPANおよびモバイル通信 (GSM 3G+) を搭載したこのマルチセンサネットワーキングユニットは、通常フォークリフトで使用されます。貨物キャリア、荷物や保管場所IDなどのプロセスデータに加え、車両の状態データを収集し、GPS測位信号と統合して総合的な位置特定情報を提供します。これによって、屋外領域でもほぼリアルタイムで完全にプロセスとデータの透明性が保証されます。

 

Asset AnalyticsとERPアプリケーションのどちらか?両方とも可能です!

LOCUやTDC-Eのデータ、またはそれをサポートするセンサ技術だけでは付加価値は生まれませんが、これらはアセットローカリゼーションソリューションで付加価値を生み出すための基礎となります。これを実現するには、適切なソフトウェアアルゴリズムと高性能ミドルウェアによって関連するすべてのローカリゼーションシステムの位置測定データと時間データを統合し、情報として解釈する必要があります。SICKはこのために、可視化・分析プラットフォームAsset Analyticsを開発しました。このプラットフォームは、位置、状態およびその他のセンサデータをリアルタイムでわかりやすく表示するだけでなく、特に取得したデータを処理するためにも使用されます。つまりAsset Analyticsは、例えば移動プロファイルの表示、搬送・ダウンタイムの分析、およびプロセスロジスティクスの最適化ポテンシャルの推測を可能にします。さらに、この分析ツールではイベント管理を個別にセットアップすることができます。このため、SMSのメッセージやEメールなどユーザ定義のアクションを自動的に起動できるようになります。その一例は、特定のアセットに対してのみ許可されたジオゾーン (商品入庫ステーションや出荷経路など)、または定義されたアクション (商品管理システムのミドルウェアによる商品読み取りなど) を実行する必要のあるジオゾーンにある対象物の位置特定です。

Asset Analyticsは可視化・分析機能以外にも、企業全体のサプライチェーンや資産管理アプリケーション、ならびにクラウドアプリケーションで生データと前処理されたデータの両方を使用できるオープンインタフェースを提供しています。このコネクティビティを通して、マテリアルフローの理解を深めるためにERPやMESレベルでも位置特定データを利用できるようになります。それにより、例えばソースとシンク間の通過時間や輸送時間を評価し、最適な方法でサプライチェーンに介入することができます。

 
Localization makes Logistics 4.0 possible
Localization makes Logistics 4.0 possible

位置特定により今すぐロジスティクス4.0を達成!

位置特定技術は、インダストリ4.0を背景にネットワーク化されたロジスティクスを実現するための主要なキーとなります。ローカリゼーションデータにより、すべての生産資産、貨物キャリア、物流機器の高い透明性を生み出し、理解できるようになります。これにより、走行経路を最適化しダイナミックに適合させ、セットアップ時間を柔軟に準備および計画し、マテリアルフローを消費に基づいて計画および制御し、商品の動きを監視して、手動による予約プロセスなしで保管スペースを管理できます。位置特定データは、製造およびロジスティクスのプロセスを敏捷に計画できるようになるため、納品品質と納品信頼性が向上します。位置特定とSICKのAsset Managementのソリューションにより、社内の納品プロセスが常に透明になり、社内ロジスティクスを超えてプロセス効率向上の機会が生まれ、新たなサービスの基盤を築くことができます。 

据置型保管・搬送技術だけでなく、無人搬送システム、半自動化トラックやモバイルプラットフォームに向けに最も幅広いポートフォリオを提供するセンサ製造者として、SICKはヴァルトキルヒおよびブーフホルツに所在するネットワーク化された自社生産・流通拠点、ならびにフライブルク近郊のホーホドルフにあるデジタルネットワーク化された4.0 NOW Factoryにおいて、位置特定による生産性の向上および製品・プロセス品質の向上に注力しています。

 

 

Bernd von Rosenberger
Bernd von Rosenberger

Bernd von Rosenberger

Senior Vice President Global Industry Center Logistics Automation

ベルント・フォンローゼンベルガーは、2001年よりSICKでロジスティクスソリューションに取り組んでおり、この分野では「Logistics gets smart」のテーマに関して高く評価されている専門家です。2014年~2015年には、SICK Inc.のマーケティング販売部門の責任者として、アメリカ市場向けのイントラロジスティクスソリューションを担当し、2015年よりSICK AGのGlobal Industry Center Logistics Automationを管掌しています。

 

ご質問がおありですか?

エキスパートにお問い合わせ

スマートなロジスティクス
スマートなロジスティクス

サプライチェーン全体の効率が向上

SICKのインテリジェントなセンサソリューションは製造とロジスティクスにおけるネットワーキングを推進します。