協力関係が実を結ぶ

2025/11/03

ROBOTTIがレーダ技術で畑を耕す

Agrointelli社自律型農業ロボットROBOTTIは、よりインテリジェントで持続可能かつ効率的な農業への道を開拓します。しかし、それを予測の難しい現実の屋外環境で安全かつ確実に動作させるには、堅牢なセンサ技術が必要となります。Agrointelli社はSICKのRadarsensor safeRS3を採用することで、信頼性の高い障害物検知以上のものを手に入れました。ここでは、両社の緊密な連携、柔軟な統合を可能にするツール、実績のある安全性に関する専門知識がROBOTTIの開発をどのように加速させたかをお読みいただけます。

ロボットは私たちの働き方を変えます。農業の分野において、自律型機械はすでに種まき、除草、耕作など、さまざまな反復作業を実行しています。ロボットは畑仕事で手作業を減らし、効率を上げることを約束します。この変化をリードする企業の一つがデンマークのAgrointelli社です。同社が開発した自律型ロボット「ROBOTTI」を使うことで、農業従事者がトラクターに乗る時間が減り、より付加価値の高い作業に集中できるようになります。

しかし自律性を得るには課題も伴います。屋外の畑には、野生の動物、犬の散歩をしている人、落ちた枝など、予期せぬ状況がたくさんあり、それらに素早く対応する必要があります。人間のオペレータであれば、こうした状況に対応し安全を確保することができますが、自律型機械は、そのためにセンサとアルゴリズムを必要とします。それも時折ではなく、毎日のように、あらゆる状況で必要とするのです。

センサは自律性の基盤

自律型ロボットが安全かつ効率的に走行するには、信頼性の高いセンサが必要です。これらのセンサは障害物を検知し、危険な状況では緊急停止を作動しなければなりません。しかしただ見るだけでは不十分です。システムは知覚するだけでなく、それが本当に危険であるかを認識する必要があります。

当初、Agrointelli社はROBOTTIに光学センサを組み込み、周囲の詳細な点群を作成していました。しかし、実際の環境では、特定の状況下でセンサが誤った停止を何度も作動させてしまいました。乾燥した土壌からの粉塵、雨、霧がシステムを混乱させたからです。開口角を鳥が飛んだだけでも、不必要なシャットダウンが引き起こされました。その度に、オペレータがロボットを手動で再起動しなければならず、それにより生産性が低下し、使い勝手も悪くなっていました。

An autonomous Agrointelli ROBOTTI robot is weeding a strawberry field, showcasing the role of robots in modern agriculture.
ロボットが農業のあり方を変えつつあります。ここではAgrointelli社のROBOTTIがイチゴ畑の除草を自律的に行っています。
An autonomous Agrointelli ROBOTTI robot is weeding a strawberry field, showcasing the role of robots in modern agriculture.
ロボットが農業のあり方を変えつつあります。ここではAgrointelli社のROBOTTIがイチゴ畑の除草を自律的に行っています。

レーダへの移行で信頼性が向上

生産性を向上させるため、Agrointelli社はより確実に認識できるようなソリューションを模索していました。同社はSICKのレーダ技術に、その解決策を見出しました。レーダセンサsafeRS3は、セーフティアプリケーション向けに設計されており、粉塵・雨・霧からの干渉が受けにくくなっています。

レーダは視覚的なコントラストではなく、動きと物体の大きさを検出します。そのため、光や天候が絶えず変化する屋外環境において、このセンサは特に役立ちます。この技術をもって、Agrointelli社は、畑での作業をより安全なものにするための、より信頼性の高い基盤を手に入れることができました。

「私たち技術のパイオニアでありたいと考えています。そのため、市場で手に入れることのできる最新技術を活用して製品を絶えず最適化しています。今回のケースでは、障害物検知にSICKのセーフティレーダを使用することで、当社のセーフティシステムが大幅に改善されました」ROBOTTIのプロダクトマネージャー、Hans Christian Carstensen氏は説明します。「レーダセンサは、人物や他の大きな障害物を認識するよう特別に設計されており、植物や雑草は無視されます」

safeRS3は、さらに2つの保護ゾーンを監視することができます。警告ゾーン内では、ロボットは速度を落としながら停止します。安全ゾーンでは、システムは緊急停止を実行します。このようにROBOTTIは障害物の緊急度に応じて異なる対応をとることができます。

Agricultural machine operating on a field with sensors installed at the front.
農業の自動化には多くの難しい課題が伴います。そのため、アプリケーションに応じて最適なセンサタイプを選択することで、効率を大幅に向上させることができます。
Agricultural machine operating on a field with sensors installed at the front.
農業の自動化には多くの難しい課題が伴います。そのため、アプリケーションに応じて最適なセンサタイプを選択することで、効率を大幅に向上させることができます。

柔軟なソリューションと力強いサポート

SICKはセンサを提供する以外にも、統合プロセスを通じてAgrointelli社にソリューションと積極的なサポートをワンストップで提供しました。両社のチームは緊密に協力し合い、実際の畑の条件下センサをテストしました。SICKは試験用のデモユニットを提供し、SICKのソフトウェア環境でのセットアップおよび最適化をサポートしました。SICKはまた、レーダを取り付けるための顧客固有のホルダーの開発にも協力しました。このホルダーによってセンサがユーザによって不正操作されることが防止され、安全要件の遵守に役立ちました。

「SICKは、当社の要件を理解し、安全で実用的なシステムの実現に尽力してくれました」Agrointelli社CEOのOle Green氏はこう語ります。「これにより、Agrointelli社のエンジニアはレーダ技術を迅速かつ安全に統合することができ、テストも大幅に容易になりました」

SICK closely supported Agrointelli in integrating the safeRS3, as people work on the autonomous agricultural vehicle from the initial design phase through to the final field tests.
SICKは、初期の設計段階から現地での最終テストまで、safeRS3の統合においてAgrointelli社を強力にサポートしました。
SICK closely supported Agrointelli in integrating the safeRS3, as people work on the autonomous agricultural vehicle from the initial design phase through to the final field tests.
SICKは、初期の設計段階から現地での最終テストまで、safeRS3の統合においてAgrointelli社を強力にサポートしました。

既存の安全認証で要件の遵守を簡単に

しかし機能性だけでは不十分です。厳格な安全基準も遵守する必要があります。最初にLiDARソリューションを使用していたとき、Agrointelli社は、独自の評価アルゴリズムを開発し、包括的なセーフティコンセプトをゼロから構築しなければなりませんでした。これには文書化や検証なども含まれており、多大な時間とリソースを必要としました。

安全認証取得済みのSICKレーダセンサを採用することで、こうした作業の多くが不要になりました。safeRS3は、すでに安全性が重要なアプリケーション向けに承認されています。このセンサには、認証の取得をサポートする文書およびソフトウェアが付属しています。Agrointelli社は、この分野においてSICKの専門知識に頼ることができました。これにより、システム全体の安全性を評価し、市場への投入を加速させることがはるかに容易になりました。

「セーフティセンサ技術は、ここ数年で急速に進歩しています」そう語るのはAgrointelli社CTO、Søren Kirkegaard Nielsen氏です。「当社のパートナーSICKの優れた技術をすべて活用するため、当社は、実績のある新型レーダシステムsafeRS3を人物検出に導入し、これをROBOTTI自動化技術に組み込みました」

安全レーダセンサ
過酷な環境での危険エリア監視に適した確実なレーダシステム
safeRS/safeRS3
Laptop used in the field for monitoring and analyzing operational data
SICKは、安全関連の市場での豊富な経験を活かし、幅広い顧客アプリケーション向けに、検証済みで実績のあるソリューションを提供しています。
Laptop used in the field for monitoring and analyzing operational data
SICKは、安全関連の市場での豊富な経験を活かし、幅広い顧客アプリケーション向けに、検証済みで実績のあるソリューションを提供しています。

Agrointelli社が得た成果と利点

レーダへの移行以来、ROBOTTIの動作ははるかに安定しました。難しい状況でも、誤停止が発生することが少なくなりました。ロボットは中断なく長時間動作できるようになり、性能に対するユーザからの信頼が高まりました。

「SICKの新しいセンサが、ROBOTTIの前方の障害物の位置を、より確実に検出することを可能にしました」Agrointelli社デジタルインフラストラクチャ部門プロダクトマネージャーであるGareth Edwards氏はこう付け加えます。「また、これらの情報をユーザに表示することで、ROBOTTIの安全な動作を直感的に信頼してもらえるようにもなります」

Agrointelli社では、ROBOTTIをパートナーシップを基盤とした成功事例として捉えています。SICKとのコラボレーションはハードウェアだけにとどまりませんでした。SICKとの協働、それは共に困難を乗り越える作業でした。両社のチームは率直に話し合い、実際の環境で共同でテストを実施し、互いに学び合いました。

自律型の農業は今後も発展し続けます。より多くの作業が自動化され、機械はより複雑な環境で動作するようになります。Agrointelli社にとって、信頼性の高い独自のセンサとセーフティコンセプトは、重要な基盤となります。

 

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