今日では、個々のプロセスと生産工程を自動化するだけでは明らかに不十分になっています。最新の生産・ロジスティクス環境では、全体的な視点から見た効率的な総合ソリューションが求められています。そして、包括的なソリューションを実現するには、HIKROBOTとSICKの間で見られるような協力体制が必要になっています。グローバルメーカーであるHIKROBOTは、幅広い製品ラインナップを提供しており、それには多数のロボットタイプや自社開発型ソフトウェアプラットフォームが含まれています。同社のロボットは多種多様な業界で使用されており、その分野は食品業界、娯楽家電、自動車業界や製薬業界など多岐にわたります。このロボットは様々な周囲環境の中を安全に移動し、その際に従業員は常に保護されていますが、それにSICKのセーフティレーザスキャナnanoScan3が役立っています。
作業環境で移動型ロボットの安全な移動を可能にしているセーフティレーザスキャナ
マッピング用の高精度ソフトウェアを使用して、作業環境内を安全に移動しているロボット
新しい周囲環境への適応は、シンプルな基本コンセプトに基づいています。どの新入社員もそうであるように、ロボットもまずは作業環境に慣れ親しまなければなりません。それはSLAM (英語: Simultaneous Localization and Mapping、位置特定とマッピングの同時実行) と呼ばれる方法で行われます。そこでは、ロボットが作業領域内を走行し、 SICKのセーフティレーザスキャナnanoScan3から提供された情報をマッピング用ソフトウェアに読み込みます。その後、完成したマップはロボットのコントロールボードにダウンロードされます。このマップに基づいて、ロボットは作業領域内の走行ルートとなる仮想通路を作成します。そしてロボットがテストを実施することで、最適な動作が保証され、領域が正しくマッピングされ、問題なく通過可能であることが確認されます。
中断のない動作と、実装コストの削減を可能にする高精度の測定データ
nanoScan3はロボットの目として機能し、それぞれの目的地に向かってロボットをガイドします。safeHDDM®スキャン技術を搭載したこのセンサは、外乱光、ダストや汚れに対する耐性が非常に高く、信頼性と精度の高い測定データを常時提供します。これは、繁忙な産業環境でも、生産現場から発生する微粒子や眩しい高周波光にさらされている場合でも、ロボットがスムーズに機能することを意味します。これは生産性の向上だけでなく、実装コストの削減にもつながりますが、その理由は、清浄度の高い、または粉塵のない作業環境に別途投資する必要がないためです。
nanoScan3の環境認識能力を利用することで、移動型ロボットは複雑な周囲環境に対応できるようになります。それに加えて、リアルタイムでスキャンすることで、ロボット自体だけでなく、ロボットが滞在している周囲環境も保護されます。ロボットはすぐに反応して予期せぬ状況を検出し、障害を切り抜けられるようになります。その障害には、床に落ちている物体や、通路を横切っている人物などが該当します。
最新の安全技術での協力が未来への道を切り拓く
HIKROBOTとSICKの協力は、理想的なサクセスストーリーです。nanoScan3は寸法が小さいため、コンパクトなロボットに簡単に組み込むことができます。また、このセーフティレーザスキャナの最新技術を利用することで、HIKROBOTでは使いやすくて低コストのソリューションを製造できるようになっています。しかも、SICKのテクノロジーチームはテクニカルサービスとアフターセールスサービスで常にサポートを提供しているため、両社間では非常に信頼の厚い関係性が築かれています。
これまでにHIKROBOTがロボットソリューション・製品を提供してきた顧客数は、世界中で既に1,000社を超えています。顧客には、DHL、FAW-Volkswagen、SuperdryやA. Perryなどの企業が含まれています。同社はSICKと協力することで、このサクセスストーリーを続け、市場にこれまで以上のメリットと可能性を提供していきたいと考えています。
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