DP Worldのコンテナターミナルを防護する衝突防止システム

2014/02/14

365日年中無休で稼働するコンテナターミナルでは、稼働率に対して極めて高い要件が求められます。日常業務での最大のリスクは、埠頭クレーンのブームと船との衝突です。これを回避するため、世界有数の港湾事業者の一つであるDP WorldDP Worldは、ジュベル・アリ港のクレーンにSICKの衝突回避システムを装備しました。

ジュベル・アリは、19年連続で「中東のベストシーポート」を受賞しており、DP Worldの高い顧客志向とサービス品質が認められた例です。ジュベル・アリ港の新ターミナル3は、安全で効率的な運営の新たなマイルストーンとなることが期待されています。 日常業務での最大のリスクは、埠頭クレーンのブームと船との衝突です。この種の事故は、STSクレーンの保険金請求コストの31%を占めており、最も高い単一コスト要因となっています。クレーン同士またはクレーンと他の港湾施設との衝突もほぼ同じ頻度で発生しています。船や貨物などお客様所有物の物的損傷を含む直接的な損害の他にも、このような衝突もクレーンや港のその他港湾施設の長期的ダウンタイムにつながります。

 

港におけるコンテナハンドリングでトップの実績を収めるDP World

ターミナル1と2のコンテナブリッジには、すでにSICKの技術が導入されています。新規ターミナルの69台のクレーンはすべて、ブームと船との衝突やクレーン同士の衝突を回避するために、SICKの新しい衝突防止システムAOSを採用します。さらにジュベル・アリでは、プラントの効率を最適化するために、車両位置決めには2DレーザスキャナLMS511が、そしてトロリーの高精度自動位置決めにはリニアエンコーダKH53が使用されます。

 

 

コンテナターミナルにおける衝突回避向けのSICKのハイテク

AOSシステムには、レーザスキャナLMS511とLMS111を使用します。これらのセンサは、超高速サンプリング技術と複数の1パルスあたりのエコー評価を特徴としています。最高の測定正確度と信頼性を備えたこれらの機器は、ジュベル・アリ港の埃以外にも、その他の港の雨や雪など事実上すべての天候条件で24時間使用するために適しています。 LMS511とLMS111は、複数のフィールドで並行して評価できます。AOSシステムは、警告、遅延および停止のためのフィールドが事前設定された状態で提供されます。これらのフィールドはお客様固有の要件に合わせてカスタマイズできます。   ブランキング、参照輪郭および定義されたピクセルパターン、ならびに入力状態に応じたダイナミックなフィールド変更などインテリジェントな評価機能を搭載したこれらのセンサは、文字通りすべてを「見渡す」ことができます。AOSには、システム全体の制御アーキテクチャに簡単に統合できる高性能のモジュール式のFlexi Softセーフティコントローラが搭載されます。この安全制御装置は、レーザスキャナの可用性を常に確保する包括的なセルフモニタリング機能を備えています。  

 

グローバルなコンピタンスパートナーとしてのSICK

DP WorldがSICKを選んだ理由は、その卓越した技術だけではありませんでした。何十年にわたって成長し続け、世界的に実証されたプロセス・ソリューションの専門能力と幅広いノウハウを有する世界的に認められたセンサ技術のスペシャリストであるSICKは、単一のセンサだけでなく、すべてのセンサ技術を含む完全パッケージを提供することができます。また世界各地に支社を展開しているため、ライフサイクル全体を通してお客様を有能にサポートすることができます。 ドバイ、スウェーデン、中国、ドイツのSICKスペシャリスト達は、DP World、スウェーデンのシステムインテグレータ、中国とアブダビのシステムサプライヤと協力してこのプロジェクトに取り組み、世界的連携作業の模範例として成功を収めました。アラブ首長国連邦 DP World テクニカルディレクターのナビル・ケイド氏は次のように締めくくりました: 「24時間年中無休で稼働しているという点が、コンテナハンドリングの決定的な成功要因です。ジュベル・アリに新設されたターミナルでは、お客様の効率性と競争力の新たな側面を開拓し、さらに強化してゆくために、SICKの衝突防止ソリューションが中心的な役割を果たしています。」