産業用画像処理ソリューションは、機械が「見る」ことを可能にしました。マシンビジョンソリューションを使用すれば、手作業による検査をサポートしたり、あるいは完全に肩代わりすることが可能になります。この技術は、多くの産業や用途において、生産プロセスを自動化するために使用されています。
そこでよく生じる疑問があります。それは、必要なのは2Dビジョンソリューションそれとも3Dビジョンソリューションなのか、どの技術がどのような場合に効果的であるのか、といった疑問です。このブログ記事ではこれらの疑問点を取り上げ、技術を正しく使用するための手順を説明します。
産業用画像処理の分野では、近年、大きな技術的進歩がありました。ソリューションがより安価になることで、経済的な収益性がさらに高まります。これらは産業用アプリケーションの効率を大幅に改善する可能性を秘めています。競争圧力の高まり、熟練労働者の不足、高い品質基準、またより短いサイクルで個別化された製品を製造する必要性を考慮すると、生産の自動化は理にかなっているといえるでしょう。そこで利用される技術とは、光学センサと画像処理を用いて品質管理のようなタスクを実行したり、座標と位置データをロボットに送信したりするソリューションのことを指します。
高性能の画像処理技術は、対象物を正確にキャプチャし、リアルタイムで分析することを可能にします。これにより製品品質の向上、エラー率の低下、プロセスの最適化が実現します。さらに、収益、スループット、顧客満足度が向上し、資源の消費量が削減するといった利点が挙げられます。
2Dビジョンソリューションは、多くの産業オートメーションプロセスにおいて基盤を形成しています。2D技術の大きな利点は、異なる形状の物体表面のパターンやコントラストを正確に認識し、不規則性や欠陥を正確に検出できることにあります。2Dソリューションは、おもに、コントラスト差の情報がある場合に使用されます。この技術は現在幅広く普及しています。2Dビジョンは直感的で非常に柔軟性が高く、またさまざまなタイプの光源を使用することで、ビジョンソリューションの性能を最適化できます。これにより、2Dビジョンカメラは必要な対象物特性を正確に検出できるようになります。
使いやすいソフトウェアにより、これらのソリューションは機械やプラントに簡単に統合でき、操作も簡単です。これらのソリューションは堅牢で適応性に優れているため、次のような厳しい産業環境やタスクに最適です:
完全性チェックと組立検査
欠陥の検出
異物の検出
対象物の検査と分類
ラベルのコード読取りとチェック
結論: 2Dビジョンソリューションの強みは、その簡易性、コスト効率、汎用性、また既存プロセスへの統合が簡単なことにあります。ただしこの技術は、深度情報を必要としないアプリケーションに限定されます。
3Dビジョンソリューションは、その奥行き知覚により、対象物の形状の詳細な画像を提供します。対象物の形状や色がアプリケーションに影響することはありません。3Dソリューションは、とりわけ、高低差の情報がある場合に使用されます。2D技術とは反対に、3D技術は、対象物の形状と空間的配置を検出することを目的としています。それには次の技術があります:
スキャン技術: 対象物を測定範囲内で移動させるか、カメラを対象物上で移動させることにより、プロファイルごとに3D画像をキャプチャします。この方法では、たとえばエンコーダなどを使用した、一定または既知の移動動作が必要となります。
スナップショット技術: 1回の撮影で詳細な3D画像を生成します。対象物やカメラを移動させる必要はありませんが、スキャン技術による画像よりも精度が劣ることがよくあります。
レーザ三角測量
レーザ光線が対象物に照射され、その反射光をカメラが記録します。反射したレーザ光線のカメラセンサ上の位置を測定することで、対象物の高さ位置を算出します。カメラは反射光を連続的に記録し、記録されたプロファイルから3次元の対象物図を作成します。
タイムオブフライト技術
このスナップショット技術は、光線がターゲットに照射しして戻ってくるまでの時間を測定し、3D画像をリアルタイムで作成します。タイムオブフライト技術は、広い視野と0.5メートルを超えるワーキングディスタンスとを必要とするアプリケーションに特に適しています。
ステレオ技術
このスナップショット技術は、人間の視覚と同様に、2つの異なる位置からの2D画像を組み合わせることで機能します。この技術は、広い視野を必要とする用途や屋外での使用に最適です。対象物にパターンを投影する光源を追加することで、測定精度を向上させることができます。
3D画像処理は、正確な測定と詳細な分析を必要とする品質管理や、ロボットビジョンのアプリケーションで使用されます。アプリケーションには以下があります:
完全性チェックと組立検査
欠陥の検出
異物の検出
測定
物体の分類と仕分け
物体の位置特定
ロボット/グリッパアームの制御
結論: 3D画像処理の大きな利点は、詳細な3D対象物画像が得られることです。これは、奥行、体積、正確な測定が重要なアプリケーションで、大きな意味を持ちます。
SICKは、顧客の要件と複雑なタスクに合わせた適切なソリューションを提供します。単一のビジョンセンサから画像処理センサ向けアプリケーションに特化したシステム、マシンビジョン向けのデジタルソリューションからサービスまで、SICKのビジョンポートフォリオには、産業用画像処理用のさまざまなカメラとソリューションが含まれています。ソフトウェアベースSICK Novaは、2Dカメラと3Dカメラのどちらが使用されている場合でも、ビジョンアプリケーションを迅速かつ簡単に設定するのに役立ちます。またSICKでは、お客様のタスクや用途に合わせて、最先端のソリューションを幅広く提供するとともに、お客様固有の課題に適したマシンビジョンソリューションを見つけるための包括的なアドバイスも行っています。
