IO-Link Master SIG300: インテリジェント・オートメーションの可能性を切り拓く多才なエッジデバイス

2025/04/24

ヴァルトキルヒ - 工場のネットワーク化に関してスマートセンサ統合の世界的な標準規格であるIO-Linkは、FAの多種多様な可能性を切り拓いています。この分野に注目しているSICKの新しいIO-Link Master SIG300は、柔軟性、接続性、使いやすさの点での新たな基準となり、

効率的なオートメーションタスクに欠かせないコンポーネントです。特に注目すべき点は、直接デバイス上でエッジコンピューティング(分散制御タスク)を実現するロジックエディタの搭載と、直感的な設定を可能にするUSB-Cインタフェースです。また、SICKのFunction Block Factoryを利用することで、異種のデバイス、フィールドバス環境への統合も簡単に実現可能です。コンパクトな筐体はIP67対応、合計8個のポートを備え、最大102のデジタル信号を処理することができます。従来のIO-Link Master製品とは異なり、豊富な機能が詰め込まれています。 
 
OTとITのギャップを埋める架け橋として機能するSIG300
 
産業界におけるデジタル化の進展に伴い必要とされるOT(運用レベル の機械やシステム間)、そしてITシステム(サーバやクラウド)通信の一元化へ、SIG300は中心的な役割を担います。JSON-REST APIやMQTTなどの複数のインタフェースを介して、センサやアクチュエータのデータをITやクラウドプラットフォームにリアルタイムで統合することができます。これは特に、状態監視、プロセス制御やリモートメンテナンスなどのアプリケーションにとって重要になります。
 
EtherCAT、PROFINET、EtherNet/IPなどのイーサネットベースのフィールドバスに対応、多種多様な制御システムへの柔軟な統合、調整の手間なくプログラマブルロジックコントローラ (PLC) に容易に接続可能です。
 
異機種環境でもプラグアンドプレイで実装可能
 
ソフトウェアの追加不要、接続されているIO-Link機器の機能やパラメータ設定をSIG300が搭載するIODD Interpreterを利用して、ウェブブラウザで直接行うことができます。SICKのFunction Block Factoryにアクセスして主要メーカーのPLCファンクションブロックをオンラインで生成することにより、既存のオートメーション環境にシームレスに組み込むことができます。 
また、「バックアップ&リストア」機能で接続デバイスの交換が大幅に簡単になります。センサやアクチュエータを交換するとSIG300に保存されている設定値が新しい機器に自動転送されるため、余計な手間がかかることはありません。同様にSIG300自体の設定もコピーして他のSIG300に転送することが可能でプログラミングにかかる時間とコストが節約されます。
 
効率的なエッジコンピューティングを実現するロジックエディタ
 
IO-Link Master SIG300は、ロジックエディタを搭載しデバイスデータの分散処理(フィルタリングと分析)が可能です。エッジ処理(カウント、平均値算出、限界値監視などの論理演算)をSIG300で実行し、まとめてデータ転送することにより、応答性の向上、計算負荷、データ伝送負荷の軽減といったメリットが得られます。データ転送ごとに課金されるクラウドサービスで大幅なコスト削減につながります。 
 
インテリジェントなオートメーションの鍵
 
IO-Link Master SIG300は、プロセスやデバイスのデータをシームレスに取得、管理、統合でき、プロセス制御の多種多様な分野で数多くのアプリケーションの可能性が切り拓かれます。
品質管理アプリケーションでは、定義したセンサパラメータからの逸脱を識別して製造ミスを早い段階で検出します。不良品コスト削減、収益向上、一貫した高品質につながると同時に、資源消費量の削減にも貢献します。
自動組立工程では、ロボット、グリッパ、その他のハンドリングシステムをデータに基づいて制御することで、製品品質とプロセス安定性を大幅に向上させることができます。センサデータをSIG300が分析し、補正することでミスなしで対象物をピックアップ、配置できるようになります。
SIG300は、要件の高い機械状態監視においても、高い優位性を発揮します。注意を要する状態変化をリアルタイムで取得し、複数のチャンネルで表示します。例えば、運用レベルでシグナルランプが警告メッセージを即座に通知する一方で、ITレベルの監視アプリケーションにデータを転送します。さらに、センサの状態を連続モニタして必要に応じたメンテナンスを行うことができます。
また、接続機器との双方向通信が効率的なリモートメンテナンスを可能とし、最大限の稼働率と最小限のダウンタイムが実現します。多機能で多才なSIG300は、その他の多くのアプリケーションが実現可能です。高性能、高拡張性、容易なソリューション統合が可能なSIG300が、最先端オートメーションシステムへのキャッチアップを望む企業に大きなメリットをもたらします。
 
SICKは、産業用途向けのセンサベースアプリケーションを扱う世界有数のソリューションプロバイダーです。1946年にDr.-Ing. e. h. Erwin Sickによって設立され、フライブルク近郊、ブライスガウのヴァルトキルヒに本社を置くSICKは、技術および市場をリードする企業の1つであり、世界各地で63の子会社および持ち株会社、ならびに多数の代理店を展開しています。従業員数は全世界で10,000人以上であり、2024年度の連結売上高は21億ユーロとなりました。SICKに関する詳細情報は、インターネット(www.sick.com)でご覧いただけます。
 

The press release on SIG300 IO-Link Master including images can be found in the media library. All documents are available for download under the corresponding collection.