Emergency Brake Assistが過酷な作業環境において積極的に負担を軽減
建設機械メーカーBOMAGでは、同社の大型タンデムローラに、SICKのブレーキアシストシステムEmergency Brake Assist*を搭載しています。この、人やインフラとの衝突を防止するシステムは、機械のタイプや特定の用途に合わせて精密に調整されており、現在市場をリードする技術となっています。業界からは、この革新的なセーフティソリューションについて、一貫して好意的な評価が寄せられています。
建設機械メーカーBOMAGでは、同社の大型タンデムローラに、SICKのブレーキアシストシステムEmergency Brake Assist*を搭載しています。この、人やインフラとの衝突を防止するシステムは、機械のタイプや特定の用途に合わせて精密に調整されており、現在市場をリードする技術となっています。業界からは、この革新的なセーフティソリューションについて、一貫して好意的な評価が寄せられています。
騒音、暑さ、蒸気、そして潜在的な事故のリスク – 高速道路の工事現場を車で通り過ぎるとき、そこで働く作業員に敬意を抱かない人がいるでしょうか? とりわけ、巨大なアスファルトローラの運転は大変な仕事です。ドライバーは、路肩を正確に確認するだけでなく、コックピット内で燃料レベルや水位、あるいはアスファルトの圧縮度の表示など、視聴覚信号にも注意を払わなければなりません。さらに、人や資材に対する潜在的な危険状況を、絶えず管理し続けるという課題も加わります。これは、精神的なストレスだけでなく、身体的なストレスも意味し、専門家はこれを工事現場における事故の主な原因だと考えています。
これまで、周囲の検出には主にバックカメラや360度カメラが使用されてきましたが、最新世代の大型タンデムローラAP-5の装備にあたり、BOMAG社は新たな道を開拓しようと試みました。「我々は、ドライバーの負担を軽減すべく、あえて衝突回避カメラを使用しないことを選択しました。このシステムはバックグラウンドで動作し、必要な場合にのみ介入するよう設計されています」BOMAG社で大型タンデムローラの製品管理を担当するFrank Reinartz氏はこう強調します。
建設機械見本市BAUMA 2019では、SICKとBOMAG社の専門家たちが、厳しい条件下における屋外での移動型作業機械の確実な衝突回避という喫緊の課題について議論を交わしました。BOMAG社は、アスファルトローラの自律型運転を実現するための、ROBOMAGと呼ばれる技術研究を発表し、注目を集めました。このシステムにも、すでにSICKのLiDARセンサが搭載されていました。現在シリーズ生産されている衝突回避システムをもって、同社は、建設機械分野の技術リーダーとして、エマージェンシーブレーキアシストの重要なマイルストーンを達成しました。
EN ISO 13849-1準拠の認証を受けたセーフティシステムはパフォーマンスレベルbを達成し、積極的なブレーキ介入によってドライバーの負担を軽減します。これは、厳しい環境条件下において、2つの3D-LiDARセンサによる環境認識をベースに、正確なステアリング角度と走行速度を考慮しながら、機械の走行経路を測定します。このためのセンサはキャビンルーフの前部と後部に取り付けられています。中央演算ユニットがインテリジェントなアルゴリズムに基づいてLiDARセンサと機械制御装置からのすべての測定データを相互にリンクさせ、それによりローラと出現した障害物との距離が特定されます。このシステムは、人、他の機械、インフラストラクチャの物体など、静的な障害物と動的な障害物の両方を検出します。
同時に、セーフティシステムは動的な走行経路計算を用いて、本当に重要な障害物にのみ焦点を当て、ドライバーの生産性が制限されないようにします。ドライバーの注意がそれたり、障害物を見落とすおそれが生じた場合には、システムが自動で適応型のブレーキ介入を作動させます。従来のアシスタントシステムはドライバーにあまり受けがよくありませんでしたが、BOMAG社の新しいピボットステアリング式タンデムローラのEmergency Brake Assistに対するフィードバックは非常に肯定的でした。それについてFrank Reinartz氏は次のように強調します。「当社では、最初の顧客から一貫して好意的なフィードバックを受け取っています。特に、直感的な操作と、複雑な工事現場における作業負担の大幅な軽減についてです」。
BOMAG社とSICKは、緊密な共同エンジニアリングを通じて、このシステムを開発しました。SICKのモバイル屋外オートメーション戦略プロダクトマネージャーであるTilman Schmidtke氏は、成功の理由をこう考えます。「毎週のミーティング、広範なフィールドテスト、そして改善サイクルの反復を通じ、私たちは共同でシステムを段階的に改良していきました。たとえば、当初、ローラー部分に水を噴霧する際に発生した蒸気が、光学式LiDARセンサに問題を引き起こしていました。そのため、これらの蒸気の雲を検出するソフトウェアを搭載したインテリジェントフィルタを開発しました。直接のフィードバックを継続して得られることは、私たちにとって非常に貴重でした。敏速なチームワークにより、最終的にはBOMAG社と共同で、EN ISO 13849-1準拠のパフォーマンスレベルbを達成し、さらにBG BauのGS-BAU-70試験基準によるローラーのテストに見事合格したシステムを開発することができました」
Frank Reinartz氏は、それぞれの既存アプリケーションに正確に適応させることは価値があったと付け加え、次のように明確に結論づけています。「新世代の大型タンデムローラ (タイプBW 154 AP-5 / BW 174 AP-5) の開発に注力し、多大な時間を費やした結果、優れた信頼性を発揮し、工事現場での日常業務において顧客を支援し、そして何よりも事故を防止することのできるシステムを開発できました」
もちろんEmergency Brake Assistは、アスファルト舗装後の表面密着性を改善するためにローラに砂撒き機を取り付ける場合など、特殊な作業状況にも対応します。状況が変化すると、それが自動的にシステムにより検知され、環境監視に取り込まれます。
Emergency Brake Assistの革新性は、国際的にも高く評価されています。その先進的な自動障害物検知および緊急ブレーキの技術により、このシステムは、2024年にパリのIntermatでイノベーション部門の金賞を受賞しました。その理由として、独立した国際的な審査委員会は、工事現場における作業安全性の向上への貢献とシステムの技術的な成熟度を高く評価しました。その基準として、マルチレベルLiDARによる正確な物体検出、自動ブレーキ戦略、既存の機械コンセプトへの簡単な統合などが挙げられました。この受賞は、Emergency Brake Assistのようなインテリジェントなアシスタントシステムが、道路建設の将来に非常に重要であることを象徴しています。なぜならこのシステムが路面切削機、屋外用移動ロボット、クレーン、テレハンドラーにも適しているからです。
BOMAG社では、BMP8500多目的コンパクターにもインテリジェントセンサ技術を採用しています。具体的には、顧客固有のニーズに合わせて調整されたTMS/TMM22タイプの慣性センサです。このセンサは、起伏のある地形での作業する際によく発生する危険な傾斜角度を確実に検出し、緊急時には油圧ユニットの停止を行います。それにより、機械が転倒したときに空運転して修復不可能な損傷を受けるのを防ぎます。
これは標準的なソリューションでは限界がありました。使用環境における極端な振動や衝撃により、正確な検出がこれまでは不可能であったためです。現場でファームウェアを調整することで、センサを要件に最適に適合させることができました。これは実践的なエンジニアリングの好例だといえるでしょう。これは、安全性が単なる技術の問題ではなく、実際の状況への適応の問題でもあることを示しています。
* SICKではこの製品は「Safe Brake Assist」という名称で登録されています。