SICKは、屋外での衝突回避や周囲の監視、人体の検知を可能にするAIベースのセンサソリューション「Visionary AI-Assist」を発表しました。このセンサソリューションは2Dと3Dの画像処理を組み合わせ、対象までの距離を測定します。AIにより人体や物体を高精度に検知し、困難な条件下でも確実に人体を認識するとともに、誤検知を防止します。
Visionary AI-Assistセンサソリューションは、3Dステレオカメラ「Visionary-B Two」とソフトウェア「AI-Assist」の2つのコンポーネントで構成されています。このカメラは、屋内および屋外の距離測定、物体検出、環境認識に使用することができます。AI-Assistソフトウェアは人工知能技術で人体を識別します。移動型機械の作業領域における危険性をリアルタイムで評価し、必要に応じて警告を発します。
屋外での使用に適した2D/3D環境認識オールインワンデバイス
Visionary AI-Assistは、データの取得・処理・出力を1つのデバイスで実現します。追加のセンサ機器や専用のコントローラー、クラウド接続も不要です。ステレオビジョン技術により、2次元の画像を撮影し、そこから3次元の点群データを生成します。ステレオカメラは構造上、過酷な条件での使用に適しています。カメラの視野角は調整可能で、130°×105°で最大16m、または90°×60°で最大37mまでの範囲をスキャンできます。人体や物体を検出するエリアも自由に設定できるため、様々なニーズに柔軟に対応できます。
標準インターフェースによる柔軟な連携
Webブラウザによるプラットフォームに依存しない設定や表示が可能です。制御系との連携には、デジタル入出力、REST API対応のEthernet通信、RTSPによるライブ映像配信、そしてSAE J1939に基づくCAN通信が利用できます。これにより、様々な用途の移動型機械に柔軟に組み込むことができます。
業界固有のEMC規格に適合
Visionary AI-Assistは移動型機械向けに特別に開発されており、供給電圧10~57 V DC、動作温度 -40 ~ +55°C、保護等級IP67、IP69、IPX9Kなど、屋外での使用に求められるすべての要件を満たしています。このソリューションは、EN ISO 14982(農業および林業)、EN 13766(建設機械)、EN 12895(産業用トラック)のEMC規格に準拠しており、振動・衝撃試験をクリアしています。
豊富で実用的なアクセサリ
Visionary AI-Assistは、既存の移動型機械への後付けにも初期装備としても対応可能です。どちらの場合でも、装置を車両に組み込むための様々なアクセサリが用意されています。例えば、振動減衰機能付きの高品質な取り付けキットにより、長期間安定した設置が可能です。電源ケーブルとEthernetケーブルは、必要な供給電圧と接続性を提供します。保護フードは、雨、ほこり、日光などの天候の影響から機器を保護します。
SICKについて:
SICKは、産業用途におけるセンサベースのアプリケーション向けにソリューションを提供する世界有数のソリューションプロバイダです。1946年エルヴィン・ジック工学博士によって設立され、フライブルグ近郊のヴァルトキルヒを本拠地とする弊社は、技術と市場をリードする企業として認められており、63の子会社、関連会社および代理店を世界中に展開しています。SICKの従業員数は世界中で10,000人以上に上り、2024年会計年度の連結売上高は21億ユーロに到達しています。SICKについての追加情報は、インターネットでこちらからご覧になれます: www.sick.com。